14:23
寒い朝は、寝坊するのに限る。
時計の針だけが、やけに早く進む。そんな気がする。
寒い。
奥様の寝床はすでに片付けられている。
台所で物音が聞こえる。奥様に寒さは関係ないようだ?
朝の散歩は既に終わっているみたい。
旦那様は、未だ寝床の内部。
起き出す勇気が出ない。
部屋の空気も冷蔵庫の中の様に冷たすぎる。
あ~、出たくない!
気持ちは滞る。迷走する思考が結論を出せずにいる。
起きるべし。
この言葉が浮かばない。
あ~、このままでいたい!
この言葉がやけに響き渡る。
辛い決断を迫られている。弱い意志が、脅迫されながらも頑固に抵抗している自分が疎ましい。
起きるべし。
いや、このままでよい!
心の格闘が続く、が。
“ 起きてください ”
奥様の鶴の一声で、すべての物事が前に進みだす。
あ~、寒い!